鏡の国のアリスは不思議の国のアリスの続編であり、対になっている物語です。
様々な媒体で作品化されていて、映画「アリス・イン・ワンダーランド」でもこの二作品を題材にして描かれています。
今回はアリスが鏡を通して異世界へ迷い込むというストーリーが展開していき、前作と同じように言葉遊びが散りばめられています。
それではそんな不思議な世界のお話とは一体どんな内容なのでしょう。簡単なあらすじをご紹介します。
鏡の国のアリスのあらすじ
不思議の国のアリスではトランプがモチーフでしたが、鏡の国のアリスは大きいチェス盤の上が物語の舞台となっています。
アリスの空想からはじまる
ある寒い夜、暖炉の前で猫と空想ごっこをして遊んでいるアリスは、暖炉の前にある大きな鏡をすり抜けて鏡の国の世界へ行ってしまいます。
鏡の中の世界ではチェスの駒が動き回っていますが、駒たちにはアリスの姿は見えません。
面白がって駒をつまんだりしていたアリスですが、鏡文字でないと読めない本を見つけて書かれていた詩を読みます。
そのまま鏡の家から出て丘の上に上がろうとしますが、何度行っても家に戻ってしまうのでした。そんなことを繰り返していると花壇に辿り着きます。
チェスの駒となったアリス
そうしているうちに赤の女王に出会い、アリスは赤の女王に追いつくため、道を反対に上がって丘にたどり着くのです。
丘から景色を見ると、その世界全体がチェス盤のようになっている事を知り、女王の助言によりアリスもチェスに参加する事にしました。
チェスの駒となったアリスはヤギやカブトムシ、大きな蚊とともに列車に乗っています。それからモノの名前を忘れてしまうという名無しの森で子鹿を旅の仲間にします。
しかし自分のことを思い出した子鹿は「君は人間じゃないか!」と驚きながら逃げていってしまい、アリスは心細くなります。
夢の中の人物になっている
さらにマザーグースの詩に出てくるトゥイードルダムとトゥイードルディと出会い、これは赤の王の夢であり、アリスも夢の中の人物なのだと聞かされます。
それから急にショールが飛んできますが、持ち主を探していると白の女王が駆けてきたので、女王がショールを着るのを手伝ってあげます。
そして二人で歩いていましたが、突然一人で雑貨屋さんにいて、棚を見ようとするとなぜか物が消えてしまうのです。
次に塀から落ちる寸前のハンプティダンプティに出会いジャバウォックの詩の説明を聞きます。
ついにアリスが女王に
その後もマザーグースの詩の通りのライオンやユニコーンが町中を駆け回り、アリスはケーキを切る係にされたりします。
赤のナイトと白のナイトがアリスを巡って決闘を起こすのですが、白のナイトの案内によってチェスを進める事ができました。
そしてアリスは自分の頭に冠が乗っているのに気付き、自分が女王になったと知ります。
両側に赤の女王、白の女王がいますが変な質問ばかりを受け、出された食事は説明だけ受けると下げられ食べれません。
現実の世界へと
色んな不条理にかんしゃくを起こしたアリスは、小さくなった赤の女王を揺さぶると、家で飼っている子猫に変わり、現実の世界に戻るのです。
アリスは考えます、子猫は赤の女王で、白の子猫は白の女王なのだと。そして子猫たちに追求します。
チェスの駒であるクイーンと子猫を対面させて「お前が変身していたのでしょう」と問い詰めますが、子猫はのんきに自分の前足を舐めるばかりです。
はたしてこれは自分の夢だったのか赤の王の夢だったのかという事を自問するのでした。
あとがき
不思議の国のアリスに続き、相変わらずへんてこなキャラクターたちが登場します。
どちらも主人公のアリスが不思議な国で冒険するというお話で、続編という形になりますが、内容自体は繋がっていないので個別に読んでも楽しめる作品でしょう。
今回はルイス・キャロルが創作した「ジャバウォックの詩」が登場します。
ジャバウォックは怪物であり、主人公に倒されるという内容で語られますが、このジャバウォックが本当は何なのかということは色々な解釈があるようです。
ルイス・キャロルの想像力の豊かさは凄いとしか良いようがありません。ぜひ鏡の国のアリスを読んで、その圧倒的で不思議な魅力を感じてみてはいかがでしょうか。