マーガレット・マナーリン・ミッチェル(Margaret Munnerlyn Mitchell)の「風と共に去りぬ」は、世界中で読まれている名作です。
小説のベストセラーを受けて映画化となり、1939年にアメリカで公開、空前の大ヒットとなりました。
主演のヴィヴィアン・リーはアカデミー賞で主演女優賞を受賞し、その美貌と演技を絶賛されています。
日本では1952年に公開されて、こちらでも大ヒットとなりました。そんな風に世界中の人たちから愛される作品のあらすじとは、一体どんな内容だったのでしょう。
風と共に去りぬのあらすじ
物語は南北戦争が起きる直前から始まります。
美貌の女性スカーレット
大農園主の娘であるスカーレット・オハラは、自分と同じ上流階級のアシュリーに想いを寄せていました。
そしてパーティで告白しますが、振られてしまうのです。彼は自分の従姉妹メラニーの事が好きだと言います。
しかも振られる現場を、レット・バトラーという悪い噂がある男に見られてしまうのです。
振られてヤケを起こしたスカーレットは、その場にあった花瓶を投げつけます。このスカーレットの気性の激しさにレットは惹かれるのです。
そしてスカーレットは恋敵メラニーの兄であるチャールズと結婚します。この結婚はアシュレーに対する当てつけでした。
戦争によって変わっていく状況
そうしているうちに南北戦争がはじまり、夫もアシュリーも戦争に行き、夫のチャールズは戦死してしまいました。
スカーレットは未亡人となり、メラニーのいるアトランタで看護師として働きます。そこでレットと再会しますが、彼は馴れ馴れしくスカーレットに迫るのです。
その頃、戦況はスカーレットがいる南部が不利な状況になっていたため、メラニーと共に脱出することを決めて、レットに助けを求めます。
レットはスカーレットとメラニーを連れて危険地帯を抜け出した後、軍に入るからこの先は自分たちでなんとかしろと置き去りにします。怒ったスカーレットに口付けをしてレットは去ります。
なんとか故郷タラに戻ること出来ましたが、北軍に攻め入られたタラは見るも無残な廃墟と化していました。
南北戦争が終わりを迎える
戦争は終わり、南軍は敗北したため故郷であるタラは高い税金を課されてしまいます。そんな状況の中で、スカーレットは故郷の土地を守る決意をします。
自分の妹の婚約者フランクが事業に成功している事を知り、略奪して結婚してしまいます。
この結婚はお金の為でした。しかしフランクに商才がなかったため、スカーレットは自分で商売を始めるのです。
それからはお金儲けに生きるスカーレットでしたが、戦争から戻ってきたアシュリーへの気持ちを断ち切れずにいました。
そしてフランクが事故により命を落とすことで、また未亡人となります。
愛する者がいなくなる
その後、スカーレットはバトラーと結婚し、娘ボニーが産まれます。
それでもアシュリーを忘れられないスカーレットと、その気持ちを知りながらも夫婦を続けるバトラーに、ボニーが事故で亡くなるという悲劇が起こるのです。
夫婦を繋ぐ子供がいなくなったことで、レットとはすれ違いの日々が始まります。
さらにメラニーが病で帰らぬ人になりました。ずっと恋敵として憎んでいたと思っていましたが、本当はメラニーを心から信頼していたことにスカーレットは気付きます。
そしてメラニーは死の直前、レットのスカーレットに対する激しい愛を彼女に知らせます。
その事実を聞いて、自分が本当に愛していたのはレットだと気付きますが、もうすでにレットの心はスカーレットから離れていました。
自分の元を去ってしまったレットを想いながら、スカーレットは明日に希望を見出します。
感想
スカーレットは好き嫌いがすごく分かれるタイプの女性だと思います。
目的の為なら妹の婚約者だって横取りするし、自分が魅力的な女性であることを自覚した上で男性たちを虜にしています。きっと同性からは嫌われるタイプですね(笑)。
でもある意味、羨ましいとも感じます。誰だって自由奔放に行動したいと憧れるものですが、普通は立場やモラルがそれを押さえ込みます。しかしスカーレットは堂々と力強く生きています。
物語のラスト
最終的にはスカーレットの性格に付いていけなくなったレットは彼女の元を去ってしまうのですが、彼女は明日に希望を見出しているような言葉を発します。
ラストに「tomorrow is another day」というスカーレットの有名なセリフがあります。
日本語に訳すと「明日は明日の風が吹く」ですが、今では「明日という日がある」と訳されることが多いそうです。
個人的には「明日は明日の風が吹く」の方がスカーレットの性格を表しているような気がします。
愛する者がいなくなったあとにこういう言葉が出るスカーレットは、本当にとても力強い女性なんだと感じます。
おすすめの動画
こちらの動画は字幕はありませんが、大まかなストーリーをなぞっています。ヴィヴィアン・リーの美貌はこの映画の見所のひとつだと言えますね。
そして風と共に去りぬの映画を見たことがなくても、テーマソングは聞いたことある方も多いと思います。
以下の動画はアマチュア・オーケストラの方たちが見事に表現した楽曲です。アメリカの広い大地を思い描けそうな壮大な曲になっていますので、ぜひ聞いてみてください。
まとめ
個人的には彼女のような方とはお近づきになりたくないと思います(笑)。それでも彼女の生き方には溢れんばかりのパワーが詰まっていると言えるでしょう。
魅力的な登場人物たちの描写も物語の壮大なスケールもアメリカ的だと言えますが、とても面白い作品です。
風と共に去りぬは映画にもなり世界中で大ヒットを記録しています。機会があったら小説でも映画でも手にとってみてはいかがでしょう。
強く生きていくためのヒントをスカーレットから学べるかもしれません。