みずみずしくてパリパリとした食感が魅力のきゅうりは、副菜として大活躍です。
サラダや漬物、炒め物など。さまざまな料理で活用できる野菜です。
そんな「きゅうり」ですが、名前の由来をご存知の人はどれくらいいるのでしょうか。
普段何気なく使っている言葉ですが、実は奥深い歴史と意味が隠されています。
今回は、「きゅうり」の由来や漢字表記「胡瓜」の意味、歴史について紹介していきましょう。
きゅうりの由来は「黄色い瓜」から
現在、私たちが食べている緑色のきゅうりは、実は未熟な状態のものです。
熟したきゅうりは、黄色や茶色に変色し、苦味も増すため、食用には適しません。
ただ、昔は熟した黄色い実を食べていたんですね。
このことから、「黄色い瓜」を意味する「黄瓜(きうり)」と呼ばれるようになりました。
これが変化して、現在の「きゅうり」という名前になったと言われています。
きゅうりの名前の由来は、熟すと黄色くなる実の色からきているんですね。
「胡瓜」の由来は中国
きゅうりはインド原産で、中国を経由して日本に伝わりました。
そんなきゅうりの漢字表記は、「胡瓜」です。
この「胡」とは、かつて中国の西域にあった国なんですね。
つまり「胡瓜」とは、「胡から伝わった瓜」という由来からきています。
きゅうりの歴史
きゅうりは、約三千年前のインドで栽培が始まったと言われています。
その後、中国を経て、日本には平安時代の初期に伝わりました。
しかし、当時のきゅうりは今のような緑色ではなく、熟すと黄色くなっていました。
また、苦味が強かったため、一般的にはあまり普及せず、主に薬用として栽培されていたようです。
江戸時代になると品種改良が進み、苦味が少なくなります。
それから緑色の美味しいきゅうりが栽培されるようになりました。
味が改善されたことで、きゅうりは一般の人々の間でも広く食べられるようになり、現在に至ります。
きゅうりにまつわる雑学
世界一栄養がない野菜?
実はきゅうりは、ギネスブックに「世界一栄養がない野菜」として掲載されたことがあります。
ですが、実際にはカリウムやビタミンCなどの栄養素を含んでいるため、誤解があると言えるんですね。
きゅうりは『Least calorific fruit』としてギネス世界記録に登録されています。日本語に直訳すると、「最も熱量が低い(ローカロリーな)果実」。これがいつの間にか「世界でいちばん栄養が少ない野菜」と誤解され、広まったようです。
ただし、他の野菜に比べると栄養価が低いのは事実です。
95%以上が水分
きゅうりは、そのほとんどが水分でできています。
そのため、暑い夏には体を冷やし、水分補給にも役立つ野菜として重宝されています。
独特の青臭さ
きゅうりの独特の青臭さは、「キュウリ臭」と呼ばれる成分によるものです。
この成分には、リラックス効果や食欲増進効果があると言われています。
まとめ
きゅうりという名前の由来は、熟すと黄色くなる実の色から「黄瓜(きうり)」と呼ばれていました。
漢字表記「胡瓜」は、中国から見て西方に位置する「胡」の国から伝わった瓜という意味です。
インド原産で、中国を経て日本には平安時代に伝来しました。
江戸時代に品種改良が進み、一般的に普及したのです。
普段何気なく食べているきゅうりにも、このような奥深い歴史と由来があることを知ると、より一層美味しく感じられますね。