星の王子さまは、飛行士でもある作家サン=テグジュペリの作品です。
サン=テグジュペリは、操縦士として戦争に参加していました。敵側には作品のファンもいて、彼がいる部隊とは戦いたくないと言う者までいたそうです。
しかし、第二次世界大戦中に偵察へ向かい、サン=テグジュペリはそのまま行方不明となりました。
敵までも魅了したサン=テグジュペリが描く星の王子さまのあらすじとは、いったいどのような内容なのでしょう。
星の王子様のあらすじ
物語は、砂漠に不時着したパイロットの回想録となっています。
王子とぼくとの出会い
飛行機乗りのぼくはサハラ砂漠に不時着し、一週間分の水と食料しかない中、夜を過ごすことになります。
次の日、ある少年と出会います。少年と話すうちに、ぼくは彼がある小惑星の王子であることを知るのです。
王子はある小惑星で一輪のバラを大切に育てていました。ですが、王子はバラと喧嘩をしてしまいます。それをきっかけに、王子は色んな星を旅してこの地球に来たのでした。
色んな星をまわった王子
王子が旅をした星には、自分の対面ばかりを保つ王や、自分に良い言葉しか聞こえない自惚れ屋、酒を飲むことを恥じてその事実を忘れるために酒を飲む呑んべえがいました。
その他にも、星の所有権を主張する実業家や、1分ごとに自転するからと、1分ごとに点火や消火を行う点火夫など、変な大人ばかりがいたのです。
そうして最後の地理学者にすすめられたのが、この地球でした。
キツネが教えてくれること
地球に着いた王子は、星に残してきた花が特別だと思っていたのに、そこらへんにいっぱい咲くバラを見て、自分が特別だと思っていたものはありふれたものだと泣きます。
そこへキツネが来たので、王子は気晴らしに遊んでくれと頼みます。だけど、キツネは仲良くならないと遊ばないと言うのです。
キツネが説明する「仲良くなる」とは、たくさんの中で絆を深めることであり、他の同じ物とは違う特別になるという考えでした。
これを聞いた王子は、ありふれたと思っていた星のバラが大切な存在だと気付くのです。
キツネと別れるとき、すでに仲良くなっていることに気づいた王子。キツネから、大切なものは目に見えないという秘密を教わるのでした。
それぞれの道へ
井戸を見つけて飛行機の修理が終わったぼくに、ヘビと話していた王子は、1年前と星の位置が同じとき、ヘビに噛まれることで小惑星に帰れるという説明をします。
そうして王子は、ヘビに噛まれていなくなってしまいます。ぼくは、王子と別れることを悲しく思います。
しかし、夜空を見上げ、星が笑っているとき王子は笑顔で、星が泣いているときは王子も泣いているのかもしれないと思うことで、王子との時間を大切に思うのでした。
感想
星の王子さまは、子供の頃はあまり意味が分からなかった記憶があります。しかし、大人になってくるにつれて、段々と心に沁みるようになってきました。
今では、大切なものは目に見えないことを教えてくれる、心温まる物語だと思っています。
王子が他の惑星で出会ったこっけいな人たちは、いま大人である私たちにとって、とてもリアリティを感じさせる人間模様ではないでしょうか。
そんな私たちにキツネが批判しつつも、大事なことを教えてくれるのです。
誰もが子供だった記憶はあるのに、子供の頃の気持ちをすっかり忘れてしまっている大人こそ、「星の王子さま」は読むべき作品だと感じます。