源氏物語と言えば思い出すのが、1991年の年末、1992年の年始を跨いで放送された、東山紀之さん主演の特別ドラマ「源氏物語(上の巻・下の巻)」です。
アラフォー世代の方、覚えていらっしゃいますでしょうか^^
東山さんがとても美しい源氏の君を演じていらして、周りの姫君たちとの一種乱れたようにも思える恋模様は、25年経ってもなお印象に残っているドラマです。
今回はその源氏物語の簡単なあらすじをご紹介します。
源氏物語のあらすじ
世界に誇る古典として有名な源氏物語は全54帖からなり、400字の原稿用紙なら2400枚にもなる長い物語です。
はじまりは母の死から
源氏は桐壺更衣(きりつぼのこうい)という母を幼い頃に亡くします。
そして父帝の後宮にやってきた藤壺の宮に、亡き母の面影を覚え、想い焦がれるようになります。当然ですが、父の側室である方との恋は許されるものではありません。
しかし源氏は藤壺の宮に想いを伝え、さらに逢瀬を交わして子供が出来てしまうのです。
帝を裏切っていることに2人は苦しみ、そんな気持ちの中で源氏は年上の妻、葵の上との関係も上手くいかず、色々な女性と逢瀬を重ねながらも空虚な時間が流れます。
そんなときに源氏は藤壺の姪である若紫(後の紫の上)に出会い、藤壺の宮への想いを若紫に重ねてそばに置き、後に妻とします。
物語を通して藤壺の宮は源氏のなかで強く関わり続けていることからも、源氏にとってかなり特別な存在だったことが分かります。
都を追われる源氏の君
一方藤壺の宮と源氏の間に出来た子は、桐壺帝の子として育てられています。
その桐壺帝は病を理由に第一皇子である朱雀帝に帝を譲りますが、朱雀帝の母である弘徽殿女御(こきでんのにょうご)は帝の寵愛を一身に受けていた源氏の母、桐壺更衣を憎んでいたため、朱雀帝の譲位は源氏の立場を危うくさせるものでした。
そんな状況の中で、朱雀帝に入内する予定だった右大臣の娘である朧月夜との密会が発覚し、源氏は都を追われることになりました。
明石へ流された源氏はそこで明石の君と懇意になります。そのころ朱雀帝の夢枕に亡き桐壺帝が立ち、源氏を追いやったことへの恨み言を受けたうえ目を患います。
源氏への仕打ちが原因の災いだと、朱雀帝は都に再び源氏を呼び戻すのでした。
源氏との辛い別れの後、明石の君は女の子を出産します。
女三宮の降嫁
朱雀帝は母である弘徽殿女御の反対を押し切り、源氏と藤壺との子供、冷泉帝に帝を譲ります。
源氏は町ほどもある広さの六条院という屋敷を構え、以前の交際相手も呼び一緒に住まわせ、順調に地位を確立していきますが、朱雀帝が自身の娘である女三宮の行く末を案じて源氏の妻にと願い、これを源氏は承諾するのです。
それまでは紫の上が事実上正妻の立場にいましたが、正式な結婚をしていなかったため、女三宮の降嫁は紫の上を苦しめます。
この女三宮は藤壺の姪に当たり、このことが源氏が結婚を受け入れた理由でした。
世の無常を知る
妻にした女三宮は、過保護に育てられたせいで幼く、源氏は彼女に興味を見出せませんでした。
さらに源氏が息子のように目をかけていた柏木と密通し、子供を宿してしまいます。
そのことに気付いた源氏は怒りますが、女三宮は出家、柏木は心労が元で亡くなり、さすがに怒りは収まります。
源氏は昔自分が行った、父親の妻を寝取る行為を今度は自分がされることにより因果応報を学び、女三宮が産んだ薫を自分の子として育てます。
紫の上も晩年は出家を望みますが源氏はそれを許しません。
出家の願いも叶わないまま源氏より先に亡くなり、源氏は世の中の無常を感じながら、やがては出家をして紫の上を偲び晩年を過ごすのでした。
感想
数々の姫君と恋を重ねながらも、晩年は世の儚さを感じてしまうような物語です。
勝手な男の行動にもやもや
結局、紫の上は源氏にとって藤壺の身代わりだったのでしょうか。
とても愛されていたように思うのに正室にしなかったのは、身分とかの問題があったのかもしれませんが、なんだかもやもやします。
どうしても女性の方に感情移入してしまうので、女三宮降嫁の場面では、紫の上の気持ちを考えると腹が立ちました。
自分の勝手な気持ちで紫の上を側においておきながら正妻にせず、次々と新しい女性と関係を持つ源氏の君を恨めしく感じます。
恋愛模様を描いた古典
最初に源氏物語のストーリーを知ったときは、なんだか破廉恥な人だと感じたものです。
紫の上に対する態度にイラっとすることもありますが、それでも源氏は周りの方をとても大事にしているようにも思いました。
なんだかんだで自分が関係を持った女性たちを呼び寄せて面倒をみてますしね。
同じように古典で恋愛模様を描いたお話に伊勢物語があり、こちらも興味深い内容となっていてオススメです。
源氏物語は1000年以上前の物語になりますが、それが現代でも親しまれている理由として、登場人物の個性が際立っていることが挙げられます。
読み進めていくと魅力的なキャラクターたちに魅了されてしまうでしょう。