身近にあることが当たり前の鏡には、不思議な力が備わっているといわれています。
日本の三種の神器は、八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)です。
三種の神器に鏡が入っていることも、不思議な力があるのではないかと伝わっている所以なのかもしれません。
鏡の持つ不思議な力とは
鏡に纏わる不思議な話というのは、古今東西たくさんあります。
- 鏡の中に自分以外の何かが写っていた
- 鏡の中に引きずり込まれた
こんな怖い話が語られ続けていることから、ハッキリと意識してはいないけれど、人は鏡に対して畏怖の感情を持っているのかもしれません。
鏡と日本神話の女神さま
天照大御神(あまてらすおおみかみ)という、日本の最上神であり太陽神でもある女神さまが、邇邇藝命(ににぎのみこと)にある命令を下されました。
「日本に降り立って国を治めなさい」と、そしてこのときに三種の神器を渡します。この出来事を天孫降臨(てんそんこうりん)といい、日本神話で伝わっています。
しかし、八咫鏡に対しては、「この鏡を私だと思って祀りなさい」と語っているのです。特別な何かを感じますね。
実際に、天照大御神が祀られている代表的な神社が伊勢神宮であり、そのご神体が八咫鏡です。こういった鏡を神鏡(しんきょう)といい、神聖な鏡を指す言葉になります。
鏡は日の光を反射すると、まるで太陽のような光り輝く性質を持っているため、太陽を象徴するご神体、つまり天照大御神として祀られているのです。
このことからも、鏡には不思議な力があると信じられてきたのでしょう。
鏡を使って異世界に行く方法
数年前からネットで流行している怖い話に、「異世界に行く方法」があります。
方法はいくつかありますが、ある決まった行動をすることで、今の世界とは全く違う異世界に行けるそうです。
ネット上では、そんな不思議な世界に迷い込んでしまった人たちの書き込みが確認できます。
そして異世界に行く方法の中には、鏡を使用したやり方があります。
鏡の持つ不思議な力で、異世界へ通じることができると言われているのです。
深夜に合わせ鏡をすると霊界への扉が開かれる、ある時間に鏡を見ると異世界へ行くなど。そんな都市伝説が囁かれています。
体験談はあふれていますが、少なからず危険を伴うはず。無闇に実行しないほうがいいですね。
鏡がメインで出てくる物語
グリム童話の「白雪姫」は、意地悪な継母が鏡に向かって「この世で一番美しいのは誰?」と尋ねるところから始まります。
鏡が「それは白雪姫です」と答えることから白雪姫は窮地に立たされますが、運命の王子と巡りあって幸せになるのです。
また、鏡の国のアリスでは、鏡は異世界への入り口となっています。
二つの物語は、ともに鏡が重要な役割を担っているんですね。
白雪姫では、自分の美に執着する姿を見ようともせずに、若く美しいお姫様に嫉妬する継母の愚かさを、真実を映し出す鏡は捉えていたのではないでしょうか。
そして鏡の国のアリスでは、鏡を通して異世界に入り込みます。
グリム童話も鏡の国のアリスも、鏡には不思議な力があるのかもしれないという、作者の気持ちが表現されている気がします。
まとめ
鏡には、不思議な力があるとされています。
信仰の対象だったり畏怖の現れであったり。異世界への入り口でもある鏡は、やっぱり不思議な存在だと言えるのではないでしょうか。
きっとこれからも、鏡にまつわる不思議な話はどんどん語られていくと思います。
それだけ不思議な力が秘められていると考えられます。
実際、夜中に鏡を見ると怖い気持ちになることも、鏡の持つ力を裏付けているのかも……。
人間の本能が、鏡には何か不思議な力があることを感じているのでしょう。だとしたら、それはある意味で真実と言えるのかもしれませんね。