『まんじゅうこわい』は落語の演目のひとつであり、「寿限無」や「目黒のさんま」に並ぶ有名な噺です。そのため、どこかで聞いたことがある人も多いと思います。
しかし、詳しいあらすじや意味を知っている人って、あまりいないのではないでしょうか。
まんじゅうこわいの意味って?
まんじゅうこわいは、簡単に説明すると“とんち”のきいた笑い話です。
若者が集まってそれぞれ怖いものを言い合うのですが、本当は大好きなまんじゅうを怖がることで、周り人たちを引っ掛けようとします。
「こわいこわい」と怯える様子を見ると、ちょっとイタズラしてやろうと思うことってありますよね。そんな人の気持ちを利用して、まんじゅうを手に入れようとしたのです。
まんまと引っ掛かった人たちは、思惑通りにまんじゅうをその人に差し出しました。
きっと怯えているに違いないと面白がっていたのに、「こわいこわい」と言いながらもパクパク食べている様子に、これはおかしいと気付き、「本当は何が怖いんだ!」と問い詰めました。
そこでまんじゅうを怖がる男が、「今はお茶がこわい」と言います。大好きなまんじゅうで満足した後は、お茶が欲しくなったので催促しているというわけです。
まんじゅうこわいのあらすじとは?
この噺はいろいろなバージョンがあります。ここでは、一般的に知られているあらすじをご紹介します。
町の若者たちが集まって、暇つぶしにそれぞれが嫌いなものや怖いものを言い合います。
ある者は「クモ」、ある者は「ヘビ」、さらにカエルやナメクジやキツネなど。色々な怖いものの話で盛り上がります。
光っつぁんにもみんなが聞きます。「こわいものは何か?」と。
最初は怖いものなんてないと言っていた光っつぁんでしたが、「実は……、まんじゅうがこわい」と答えます。
周りの人たちは不思議がりますが、もう言葉に出しただけでも駄目だと、震えながら家に帰ってしまう光っつぁん。
そんな様子を面白がったみんなは、それぞれまんじゅうを買ってきて、光っつぁんの家に投げ込みます。
きっと怖がっているだろうと楽しんでいたのに、よく見てみると光っつぁんは美味しそうにまんじゅうを食べています。
これは引っ掛けられたのだと気付いたみんなは、光っつぁんの家に踏み込みます。そこで、「本当に怖いものは何なんだ?」と聞くと、「今は熱いお茶が一杯こわい」と言うのです。
こちらの動画はアニメですが、あらすじがとても分かりやすくなっています。
簡単にあらすじを説明すると短いのですが、噺家さんによっては30分以上の長い物語になっていることもあります。
キツネに化かされたという話が入っていたり、女の幽霊が怖かったというエピソードもあったりしますので、聞き比べてみると面白そうですね。
成功者は落語を聴いている?
落語と聞くと若い人たちには馴染みがないかもしれませんが、成功しているビジネスマンは、落語好きが多いと言われています。
もしかしたら成功するための秘訣が、落語には隠されているのかもしれません。
まんじゅうこわいの光っつぁんも、実際のところ、けっこうな知恵者ですよね。
また、落語を聴くことで、頭の回転が速くなるとも言われています。
噺を聞くことで頭の中の想像力が養われます。人は言葉を聞くとそのイメージを想像したり、関連した記憶を呼び出したりしますよね。
そうすることで脳が活性化されるのです。
仕事で新しいことを覚えるのに苦労したり、何度も同じミスをしたりすると落ち込んだりすると思います。
だけど、そんなときこそ落語を聴いてみると、脳が活性化されて、仕事で成果を出せるようになるかもしれません。
まとめ
『まんじゅうこわい』は、本当は好きなまんじゅうを怖がることで、逆に手に入れようとする落語の噺です。
結局は騙されたことになるのですが、なんだか面白いですね。
落語を聴くことで想像力が養われ、頭の活性化に繋がる可能性もあります。機会があったら落語を聞いてみると、良い刺激になるでしょう。