昭和30年代を舞台にした『となりのトトロ』は、ノスタルジックな雰囲気を感じさせる作品です。
子どもだけでなく、大人が見ても懐かしい気持ちになることから、ジブリの中でもかなりの人気となっています。
そんな『となりのトトロ』にまつわる不思議な都市伝説を、今回は調査してみました。
都市伝説はデマ
『となりのトトロ』は、主人公であるサツキとメイが、森で不思議な生き物トトロに出会い、不思議な体験をしていく様子を描いた作品です。
ウワサの中には、トトロは死神だった、サツキとメイは亡くなってしまったなど。
多数の都市伝説が出回っていますが、実際にはジブリが公式に否定しています。
みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたいなんです。「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。みなさん、噂を信じないで欲しいです。
都市伝説を信じてしまった一般の方から問い合わせがあったことから、公式が否定しているんですね。
実際にかなりのウワサが広がってしまっているので、信じている人は多いのではないでしょうか。
だけど、公式が「ウワサを信じないで」と注意していることから、トトロに関する都市伝説はデマだということになります。
出回っているウワサ
ではネットを中心に広がり、一般にまで認知されてしまったウワサを紹介していきますね。
まずは、サツキとメイの影の話です。映画の後半になると、急にサツキとメイの影が画面上から消えています。
この描写をきっかけに、サツキとメイは実際には亡くなっていて、幽霊になってしまったので影がないのだとささやかれているんです。
この影に関しては、上記の公式サイトで「不要と判断した」と明言しています。完全なデマだということ。
次に、池に落ちていたサンダルですが、本当はメイのものだというウワサです。
サンダルを見たサツキが、「メイのじゃない」と否定しているシーンがあります。このシーン、よく見ると、メイが履いていたサンダルと色や形がとても似ているんですね。
だから池で溺れたメイは、亡くなってしまったのではないかといわれているということ。
実際に画像検索して確認したところ、メイが履いていたサンダルはラインが2本、池で見つかったサンダルはラインがクロスしていました。このウワサも完全なデマですね。
それに、メイをよく知っているサツキ自身が「メイのじゃない」と否定していることも、デマを裏付けるといえます。
この時代は、現代と違ってあまり物をたくさん持っていません。そのため、女の子ならデザインの違いは正確にわかったはずです。
さらに、物語の終盤に病院まで行って、お母さんに会わないのは不自然という意見があります。
サツキとメイは入院している母親の病院を訪ねて、トウモロコシを渡すシーンが映画の終わりのほうであるんですね。この場面、なぜか直接お母さんに会わずにそのまま帰ってしまいます。
このとき二人はすでにこの世の存在ではなかったから、お母さんに会えなかったのではないかということ。
けれど、この説に関しても、よくよく考えると二人の姿は汚れてボロボロになっています。そんな姿をお母さんに見せてしまったら、余計に心配すると考えたからではないでしょうか。
そうすると、「お母さんに会いたい、でも心配もかけたくない」という子ども心の葛藤が垣間見える気がします。
ただ、このときのお母さんは、「今、サツキとメイが笑ったような気がしたの」と言っているので、何かしら感じるものがあったのかもしれません。
作品のあふれる魅力
『となりのトトロ』には、幼い姉妹の成長記録と、不思議な現象がふんだんに盛り込まれています。
昭和30年代の懐かしい様子は、その時代を知らない人間でも、「あぁ、こういう雰囲気いいなぁ」と感じさせられるのではないでしょうか。
私の父は、戦後間もまく生まれています。昭和30年代だと、父は小学生から中学時代かな。もしかしてサツキと同年代かもしれません。
そんな父と、子供の頃にテレビ放映されていたトトロを一緒に見ていたら、「父ちゃんの子供の頃はこんな風に自転車に乗ってたんだぞ」なんて、思い出話に花を咲かせてくれました。
カンタ君が大きな自転車をサドルに乗らないで漕いでいた様子を見て、父が発した言葉です。
この時代、子供用の自転車なんてなかったので、高過ぎるサドルに腰を下ろさなくても漕げるように、工夫していたのだそうですよ。
今だと交通マナー的によろしくないのでしょうが、昔はいろいろな形で環境に適応しようとして生活していたのがよくわかるエピソードです。
不思議な生き物との触れ合いももちろん魅力ですが、こんな風に懐かしい雰囲気を感じさせてくれるところも、『となりのトトロ』の大きな魅力だと思います。
ぜひ、おばあちゃんやおじいちゃんと一緒に観てほしいですね。そうすると、自分たちの知らない時代のことをたくさん話してくれるはず。
また、舞台背景やストーリーと共に、音楽にも魅力があふれています。
久石譲さんがピアノ演奏されている動画です。鍵盤を叩く前の久石さんのスマイルに和やかなムードが漂っています。
まとめ
『となりのトトロ』に関する都市伝説は、公式サイトでデマだと否定されています。
だけど、たくさんのウワサが広がるということは、それだけ魅力があり、認知されているということ。なので、仕方がないことなのかもしれません。
何度見てもおもしろく感じる『となりのトトロ』を、ぜひご家族で鑑賞してみてくださいね。